2025年1月2日発売 / Lot No. TT15666-119 / Mid 1950s Style Velveteen Souvenir Jacket “SPIDERWEB, SNAKE & SKULL” × “DRAGON & TIGER”

TEXT: テーラー東洋 企画総括・スカジャン研究家 松山達朗 (TATSURO MATSUYAMA)

 

 

TAILOR TOYO LIMITED EDITION

Mid 1950s Style Velveteen Souvenir Jacket “SPIDERWEB, SNAKE & SKULL” × “DRAGON & TIGER”

 

2025年新春。TAILOR TOYO(テーラー東洋)の新作第一弾として、1月2日の初売りのタイミングでリリースされるのが、この数量限定のリミテッドエディション。2025年「巳年」の干支である「蛇」に因み、ヴィンテージスカジャンの中でも群を抜いて希少価値の高い、蛇髑髏(へびどくろ)柄を復刻する。

 

 

 


鷲・虎・龍の三大モチーフをはじめ、マップ柄や風景柄など様々な図案が存在するヴィンテージスカジャンの世界。その中でも「髑髏柄」は、当時の生産数も現存する個体数もごく少数で、コレクターが血眼になり探し求めている逸品。仮に発見されたとしてもヴィンテージショップの店頭に並ぶことはなく、実物を目にする機会すら滅多にない。

 

そんな髑髏柄にも実はいくつかのバリエーションが存在するが、モチーフは「蛇」「髑髏」「蜘蛛の巣」の組み合わせが主であり、通称「蛇髑髏」と呼ばれている。また、蛇髑髏には作られた年代によって刺繍や配色の異なる個体が存在し、今回復刻したのは1950年代中ごろに作られた別珍生地の蛇髑髏の中でも最初期のもので、写実的な描写や淡い色合いが特徴。このあと1950年代後半以降になると、刺繍がややデフォルメされ、配色も奇抜になっていく。

 

 

TAILOR TOYO ONLINE STORE

Lot No. TT15666-119 / “SPIDERWEB, SNAKE & SKULL” × “DRAGON & TIGER” 商品ページ

 

 

 

 

 

ヴィンテージでも極めてレアな「髑髏柄」を復刻

 

メインのモチーフとなっているのは髑髏。ひび割れた部分の色が針足の違いで個々に変わって見えるが、白1色で刺繍されている。眼窩や歯のまわりにはシルバーの色糸を使い、影を描くことで立体感を強調。黒の表現にも工夫が見られ、頭蓋のひび割れた部分は別珍生地のマットな黒、眼窩の中央は刺繍糸の光沢感のある黒で描写しており、光の当たる方向によってそれぞれ異なる表情を見せる。

 

髑髏に加え、後述する蛇、細いラインで構成された蜘蛛の巣を横振り刺繍で表現するには手間と時間、熟練の技術を要し、ヴィンテージとしての希少性だけでなく刺繍としての完成度も非常に高い。また、本作は他の髑髏柄と比べてクロスボーンが長いところも特徴で、ヴィンテージならではの歪なバランスも復刻版に落とし込んだ。

 

 

 

 

 

通称「蛇髑髏」と呼ばれる所以の牙を剥く毒蛇

 

一見すると蛇は単色だが、実は濃淡の異なる2色で刺繍されている。身体には淡いグレー、水玉模様の部分にはやや濃いパープルグレーを使用。色糸と刺繍の針足を変えることで、光の当たる角度によって水玉模様が浮かび上がって見える。また、蛇の腹には淡いピンクの色糸を使っているが、部分的に刺繍を抜き、別珍生地の黒を出すことで立体感を強調している。

 

蛇の顔を見ると刺繍型に倣い、写実的に描写されている。舌が先端ではなく根本から二股に分かれているところも刺繍型の通りで、当時、熟練の職人が型の下絵に沿って丁寧に刺繍した作品であることがわかる。1950年代後期以降になると同じ下絵をもとにした蛇髑髏の図案でも刺繍がややデフォルメされ、配色も奇抜になっていくため、写実的な描写と淡い配色は1950年代中期の特徴。

 

 

 

 

 

当時からスカジャンを手掛けてきた証の「刺繍型」

 

1950年代、テーラー東洋の前身である「港商商会」の時代に使われていた刺繍の型。和紙に柿渋を染み込ませ、固めた渋紙を図案にあわせて切り抜いている。スカジャンの生地に型を置き、上から亜鉛華という白い粉末を膠で溶いたものを刷毛で塗ることで、生地に下絵が残り、当時はそのガイドラインに沿って職人が刺繍を施していた。

 

刺繍型は職人が使うもので一般的に流通することはなく、現存すること自体が珍しい極めて貴重な資料。いまやヴィンテージ市場でスーパーレアとされている蛇髑髏柄のスカジャンを1950年代にテーラー東洋(港商商会)が作っていたという証であり、ヴィンテージスカジャンだけでなくこの刺繍型などの資料をもとに、デザインはもとより刺繍の針足まで忠実に復刻している。

 

 

 

 

 

黒別珍とのコントラストが際立つモノトーン調の刺繍

 

白だけでなくシルバーやブラックの色糸も使っていた背中の髑髏に対し、胸の髑髏は白1色。黒い部分は刺繍を抜き、別珍生地の黒を活かしている。ひび割れた部分の針足を変え、レーヨン製の刺繍糸の光沢が変わることで個所によって表情が異なって見えるのは、背中の髑髏と同様。両袖には炎を纏い、雲間を抜けて天に昇る龍が描かれているが、通常、袖に入る龍は直線的なデザインが多く、このように身をうねらせた龍の図案は珍しい。この昇龍も白い色糸を基調としており、身頃や腹、背鰭など部分的に針足を変えることで、天翔ける龍の躍動感を表現している。

 

 

 

 

 

リバーシブル面はヴィンテージでも人気の龍虎対決

 

表面の蛇髑髏に対し、リバーシブル面のモチーフは龍虎の対決。龍がその長い体躯で虎を締め付け、富士山の奥から顔を覗かせるという壮大なスケールの図案は他に類を見ない。睨み合う両者の間には赤い稲妻が描かれ、激戦の様相を呈しているが、絵柄は適度にデフォルメされたヴィンテージスカジャンらしい刺繍を再現している。色糸についても経年で褪色したヴィンテージの刺繍に合わせ、龍のグリーン、虎のイエローともにくすんだ淡い色合いのものを使用。さらに身頃に入るキルティングステッチが、サテン生地や色糸の光沢感を緩和し、派手さを抑えて着やすい仕上がりとなっている。

 

 

 

 

 

刺繍とリブの色を合わせた統一感のある仕上がり

 

胸に入るのは凛々しい表情で翼を広げる鷲の刺繍。一見するとブラック×シルバーの身頃と関連性のない配色のリブが付いているが、実は鷲の色糸に合わせてグリーンを基調にイエローとオフホワイトのラインを入れており、刺繍とリブの色を合わせることで全体に統一感を持たせている。リバーシブル面は胸と背中でスカジャンの三大モチーフである鷲・虎・龍が揃い踏み、表面の蛇髑髏とは対照的にカラフルで王道的な仕上がり。ヴィンテージスカジャンの中でも優れた柄を組み合わせ、両A面と言っても過言ではない、非常に豪華なリバーシブル仕様の一着となっている。

 

 

 

 

 

TAILOR TOYO LIMITED EDITION

Mid 1950s Style Velveteen Souvenir Jacket “SPIDERWEB, SNAKE & SKULL” × “DRAGON & TIGER”

 

Lot No. TT15666 / 97,900円(税込)

Size: S, M, L, XL, XXL, XXXL

Color: 119) BLACK

 

2025年1月2日より販売開始 / In store very soon.

 

 

 

TAILOR TOYO ONLINE STORE

Lot No. TT15666-119 / “SPIDERWEB, SNAKE & SKULL” × “DRAGON & TIGER” 商品ページ

 

※ 公式オンラインストアでは 2025年1月2日の午前0時頃 (1月1日の深夜24時頃) から販売開始となります。商品の発送は1月6日を予定しております。オンラインストアの商品ページから事前に「入荷お知らせメール」の申し込みをしていただきますと、販売開始時に自動配信メールでお知らせいたします。

 

下記の年末年始休業期間中もオンラインストアでのご注文やお問い合わせフォームからのご質問は受け付けておりますが、商品の発送ならびにご返信等の対応は1月6日(月曜日)以降となります。ご不便をお掛けし恐縮ではございますが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。

 

年末年始休業期間:2024年12月28日(土曜日)から2025年1月5日(日曜日)まで